sugar’s diary

主に食べてばかりの日々と旅の記録

ヨーロッパ旅行6日目 パリ編③物売りとの戦い&パン屋さん1件目

サクレ・クール寺院を出て、次の目的地であるパン屋さんを目指しました。時刻は11時半でちょうどランチタイムです。お目当てのお店は、寺院の正面の階段を降りたところから1.5kmほど道を下っていったところにあり、メトロの駅もバス停も中途半端に歩く位置にあるので、徒歩で行くことにしました。

寺院から下を見下ろすと、もっとも恐れている怪しい物売りたちが道を塞ぐようにして待ち構えています。寺院の真ん前でも、何人かの子供に募金くれ募金!と言われて警戒していましたが、今度は大人が相手です。やつらはミサンガ(とも言えないような糸)を腕に巻きつけてくるとか。折りたたみ傘をバッグにしまい、コートのフードを目深にかぶって両手をポケットに突っ込み、戦闘態勢を整えました。

坂を足早に下って行くと、前に白人の老夫婦が歩いていました。アジア人とわかると狙われやすいと思い、この老夫婦の背後にくっついて歩くことにしました。どう見てもこの人たちの家族には見えないと思いますが、何分心細かったので。しかし、この2人の歩みがまあ遅いこと。ウサギとカメだ、焦ってはいけない、と何度も言い聞かせましたが、2人のペースに合わせるのがきつくなり、結局単身突破することに。寺院前は観光客だらけだったのに、こんなときに限って周りに人がおらず、後方にさっきの老夫婦がいるだけです。物売りたちの意識が一気に私に向いてくるのがわかりました。こうなったらあいつらがビビるくらいの勢いで突進してやる!と思い、失格覚悟の競歩選手並みに早歩きしました。

すると、坂の傾斜で勢いづいてしまい、下手なスキップをしているような格好になり、だいぶ気持ち悪いステップを披露することになってしまいました。終始両手はポケットに入れていたので、結構不気味だったと思います。しかし、これが功を奏したのか、ほとんどの物売りが一歩近づこうとするも、こいつ頭おかしい無理やって感じで諦めてくれました。一人だけ何か言いながら近づいて来たので、目を合わせず「ノン!」と言ってさらに早歩き。というかもう走っていました。緊張感と小走りのせいで心臓ばくばくです。

やっと大通りに出て振り返ると、案の定というか、さっきの老夫婦が見事にミサンガを巻き付けられていました。もちろんあしらっていましたが、しつこい人たちです。サクレ・クール寺院に行く場合は、ウサギ(ただし途中で休まない)の気持ちで駆け抜けてください!

f:id:sugar0809:20150904134810j:plain

大通りを渡り、またiPhoneGoogle mapのキャプチャを見ながら進みます。すぐ迷いました。高い建物の間に細い道が入り組んでいて、ただでさえ悪い方向感覚が完全に崩壊。交差点にいた、日本でいうところの緑のおばさん(実際はおじさん)的な人に道を聞きましたが、オールフランス語で全くわかりません。

それでもなんとか道の名前を頼りに歩いて行くと、ドーベルマンを連れた身長190cmくらいのスーパースタイルが良くてスーパーハンサムでスーパーピーコートの似合う男性とすれ違いました。左手にはドーベルマンのリード、右手にには細長いバゲットを持ち、かじりながら歩いています。こんな漫画みたいな光景が本当にあるんだ…と見とれてしまい、思わずあとをついて行きそうになりました。誇張ではありません、本当に踵を返しました。あまりにも完璧なパリジャンだったので。

彼のバゲットはきっとお目当てのパン屋のものだろうと確信し、彼が来た道を進んでいくと、ようやく辿り着きました。マルティル通りのパン屋さん、arnaud DELMONTELです。ショーウィンドウには美味しそうなケーキがずらり!

f:id:sugar0809:20150904135112j:plain

f:id:sugar0809:20150904135119j:plain

パリでは、大好きなクロワッサンの食べ比べをしたかったので、クロワッサンは必須。また、ここはバゲットでパリ1位になったことがある店なので、バゲットサンドもトライすることに。本当はさっきのスーパーハンサムガイのように、そのままかじるのが本物のパリジャン&パリジェンヌなのでしょうが、ちょっとそこへ飛び込む勇気はなく、店員さんにお勧めを聞いてハムとチーズとオリーヴのバゲットサンドを購入。スモークサーモンのサンドウィッチも美味しそうでした。

店内にイートインスペースがなかったので、近場のスターバックスかどこかで食べることにしました。しかし歩けども歩けどもスタバがない!カフェもない!マクドナルドですらない!もう寒いしお腹も空いたし、とりあえずどこでも良いから見つけた店に入ろうと、ようやく視界に入ってきたコーヒーショップに入りました。温かい紅茶を買い、店内で食べようと試みましたが、店内は狭く、絶対に持ち込みがばれるカウンターとの近さ。サクレ・クール寺院で怒られたトラウマから、フランス人にやや恐怖を感じてしまい、やむなく外に出て、行くあてもなくしばし徘徊し、気づいたらConcorde広場付近まで来ていました。この時1時を回っていたので、サクレ・クール寺院からもう1時間半以上歩いています。どおりで鼻水が止まらないわけだ。

f:id:sugar0809:20150904135444j:plain

もう店探しは諦め、最終的に公園のベンチに腰を下ろしました。市民の憩いの場である公園には、学生っぽい人が一人くらいいるだけで閑散としています。その学生くんも私が着席するとすぐに去って行きました。だよね、寒いもんね。12月のパリの木枯らしが冷たくて、紅茶を両手で覆って暖をとり、頬にあててみたりする私なんて家なき子。

ようやく一息つけると思ったのも束の間、右後方からゴーゴーとうるさい音が聞こえてきたので目をやると、巨大な業務用バキュームで落ち葉を掃除している公園スタッフ登場。何事か私に叫んでいます。よく聞こえないけどなんとなく嫌な予感がしたので、あえて無表情で眺めていると、手で“シッシ”のジェスチャーをされました。やっと安住の地を見つけたと思ったのに、追い出される私なんて彷徨える旅人。私パリに嫌われていやしないか、と切ない被害妄想が膨らんでしまいます。

落ち葉バキュームの音が聞こえない公園の隅っこまで歩き、ようやくお昼タイムとなりました。まずはハムとチーズのバゲットサンド。お腹が空きすぎて写真を撮る前にかじってしまいました。もう最高に美味しい!さすが評判なだけあってバゲット自体が美味しい。外側が硬すぎない程度に硬く、内側はふわふわ。生地にオリーヴが練りこまれているのでやや塩気があります。具は、ハム&チーズ&オリーヴの鉄板コンボに、ドライトマトの自然な甘酸っぱさとグリーンのさっぱり感が程良く塩味を緩和していて絶妙。食べきれるかなと思うくらいボリュームたっぷりでしたが、なんなくたいらげてしまいました。

f:id:sugar0809:20150904135707j:plain

続いてクロワッサン。まず形が食品サンプルと見間違うほど美しい!さすが芸術の都です。食感は、サクサクとしっとりのちょうど中間くらいで非常に好み。味はしっかりバターの風味が効いていて、食べるほどにバターの甘みが広がり、どんどん一口の大きさが大きくなって一瞬でなくなりました。食べ終わるときの悲しさたるや…すぐにおかわりしたかったです。

f:id:sugar0809:20150904135901j:plain

バゲットサンドは3.6ユーロ、クロワッサンは1.1ユーロでした。このコスパ&レベルの高さだと、他のパン屋さんも大いに期待できそうです。

 

公園ランチは寒くて寂しかったけど、お腹が満たされ、少し心に余裕が出たところで、パリのもう一つのメインテーマである美術館に向かいます。